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林道を走っていると分からないことをたくさん発見する。
それは私に限ったことではなく、多かれ少なかれ誰でも経験あるのではないでしょうか?そんな疑問を多少でも理解していけば、今まで気づかなかったことにも目が向き、より新鮮な感覚で林道を楽しんで行けるのではないかと思います。
そもそも、林道ってのは私達のような林道おたくが走るために作られたものでは無いことなど誰でも知っています。林業や治山などの目的で作られています。その通りです。林道が山奥まで延びていけば、木材搬出にも機械を導入して手間が省け、人件費も木材コストも下げることができます。林道には受益者がいます。林産物などから利益を得る方々のことです。関東甲信越を走行エリアとしている方なら、よくご存知かと思いますが、広域基幹林道茂来線という林道がありますね。この広域基幹林道というのは、受益面積や周りに影響を与える広さが広域であるからなのです。この場合、国有地、公有地の枠を隔てて開発されるそうです。別に林道標識に広域基幹林道と表示されていなくても昭和48年以降から着工された完抜の長めの林道の多くはこの種の物が多いようです。ただし、それ以前から着工されていて、途中から広域基幹林道に変更されたものもあるようです。因みに広域基幹林道よりも古いものに大幹線林道ってものがありました。(有名なものは八ヶ岳大幹線林道があります。最近はあまりそのような言い方はしませんが。現在は、大幹線林道のほとんどが一般の舗装道路になってしまったらしいです。)広域基幹林道茂来線を実際に走って感じられると思いますが、林道の途中で部落に出くわします。その辺りでは道が不自然に結ばれているのを実感できます。元々は、広域基幹林道ができる前から部落へのアクセス路がいくつかありました。そこへ、後から広域基幹林道茂来線ができたはずです。ですから、あの様に「あれ、林道の続き何処行った?」と感じても当然なのかもしれません。因みに広域基幹林道を開発するには、地域の受益面積が特定規模以上ある事が前提です。1000ヘクタール延長7Km、利用区域面積が奥地で500ヘクタール以上延長5Kmとのこと。そして、市町村長の要望で都道府県が計画を立て、国に要請するらしいです。基本幅員は5m以上、普通林道は5m未満とのこと。そして、このような林道はいづれは舗装されてしまいます。広域であるがゆえにどんどんと林道の完成(完全舗装化)に向けて工事も進められていきます。ただし、舗装化されていない状態でも繋がったら開通といえますので、私達林道おたくは、ダートのある内に走ってしまうのが得策なので、たえず新規開設工事に目を向けておいた方が良いかと思います(笑)。「ちょっと待った!ではなぜ林業や治山などの目的で作られているのに一般車も走っていいの?」と思いませんか?それは、このような林道には林業や治山などの目的だけの為に作られている訳ではないからです。レクリエーションや過疎化対策、地元の連絡道や地元の活性化、木材搬出の為のコスト削減化など等の多くの目的も兼ね備えているからなのです。このような不特定多数の方が通行してもよい林道のことを併用林道といいます。併用林道は、国庫補助事業として我々の税金も多く使われているからなのです。近年では、平成5年から始まった「ふるさと林道緊急整備事業」というものがあります。実際に現地の林道看板や開設工事中の工事看板、又はインターネットなどで知っている方も多いと思います。ふるさと林道事業、地域連絡林道緊急整備事業という言い方もあります。どのような内容かと言いますと、簡単に言うと集落間林道です。中山間地域での過疎化対策を緊急に対策すべきであると言う事から始まった事業で、国庫補助+地方単独事業(県単)で行う事業です。地方自治体が実施、管理し、林道規定一級以上の構造を有するものです。対象路線としては、森林法第5条に基づいて都道府県知事がたてる地域森林計画に定められた林道です。具体的には、トンネル、橋(50m以上)の特殊構造物のある路線。県の管理する施設に関係する路線。県が実施している工事に関連する路線。国道等基幹的道路のバイパスとなる道路。このような条件が必要です。林道規定一級とは、国道と大規模な公園等の施設へのアクセス路線では幅員7.0m、その他は幅員5.0mとなっております。特例で、林道規定二級幅員4.0mとなっております。この事業は、広域基幹林道などに比べると多くの補助金が出ますので、よりりっぱな林道ができるのです。ただし、林道おたくにとってはこれがあだとなって、ダートを見ぬまま舗装されてしまう可能性は多いと思いますが。皆さんご存知の御荷鉾スーパー林道の真下(尾根の地下)にもふるさと林道事業は存在しています。ふるさと林道湯の沢線といい、上野村と南牧村を結ぶことにより、奥多野と甘楽を距離的・時間的に短縮し、両村をはじめとして、農林業の振興や住環境の整備が図られるとともに、両地域の交流による周辺地域の活性化を図るというものです。南牧村大字桧沢を起点とし、上野村大字楢原を終点とする全体延長5qの林道で、その内3.3qがトンネルです。幅員は2車線の8m(車道部分6m)だそうです。因みに林道トンネルとしては、国内で2番目の長さだそうです。それと北相木村と南相木村をトンネルなどでほぼ直線で結ぶ「ふるさと林道大鰭(おおひれ)線などもあり、こちらはすでに開通しているようです。開通したのは、北相木村木次の村道と、南相木村祝平の県道川上佐久線を結ぶ二・八キロ。二車線で、車道の幅は五・五メートルだそうです。このようにふるさと林道は、事業開始が新しいために開設工事中のものが多く、まだまだ探せば出てくるはずです。それと先程、森林法第5条という言葉が出てきました。それについて少しお話致します。第五条(都道府県知事は、全国森林計画に即して、森林計画区別に、その森林計画区に係る民有林(その自然的経済的社会的諸条件及びその周辺の地域における土地の利用の動向からみて、森林として利用することが相当でないと認められる民有地を除く。)につき、五年ごとに、その計画をたてる年の翌年四月一日以降十年を一期とする地域森林計画をたてなければならない。)とあります。林道を走っていると、時々、県知事の名前が刻まれた林道開通記念碑を見つけることがあると思います。比較的整備されたりっぱな林道が多いと思います。そのことから、何となく林道開通と知事との関係が分かってきますね。国有林の場合ですと、第7条に記載されていますが、簡単に言うと営林局長は森林計画において都道府県知事の意見も聴かなければならないとあります。ただし、営林署は、今は営林署ではありませんので要注意。平成10年7月13日林野庁の発表によりますと、229の営林署は、平成11年1月から98の森林管理署に変更されました。独立採算制での赤字が膨らみニュースなどで取り上げられていたので、何となく覚えているかと思います。営利目的だったものから、より広い範囲で森林を管理していくものに生まれ変わりました。今まで走れなかった営林署専用の道も払い下げられて走れるようになったものもあると思います。国有林の林道は、林道内に集落がなく、たいてい普段はゲートが閉まってます。併用林道ではないので、一般車の通行を禁止しています。開いていても閉まる可能性が多いので気を付けましょう。そして、国有林道の場合は、○○林道といい、民有林道の場合は、××林道○○線という名前が付くらしいです。××とは事業名です。国有林道が払い下げられて××林道○○線になる場合もあるようです。それと、工事をしたときの補助金の種類によっても林道名は変わります。例えば、山梨県の五開茂倉林道から分岐する五開小塚線一帯の林道もそれによって広域基幹林道足馴峠線に飲み込まれようとしています。林道はこのように変貌していきます。私の好きな林道の一つに御荷鉾スーパー林道という関東甲信越では横綱級林道と言われた(現在でもダート20kmあり)ものがあります。スーパー林道と言うと、最近ではマイカー規制で駆け込み走行の多かった乗鞍スーパー林道なども話題を呼びましたね。私の場合ですと、スーパー林道と聞くと南アルプススーパー林道が、御荷鉾の次に頭に浮かんできます。と言うのも、随分前の出来事ですが、台風10号?だったでしょうか、壊滅的な大被害をもたらしました。登山をしていた頃でしたので、とても印象に残っています。まあ、それはさておきスーパーってのはなんにせよ凄い(笑)。スーパー林道は、特定森林開発林道とも言い観光目的の要素が非常に大きいものです。これは国直轄の森林開発公団が特定森林開発林道事業で作ったものです。今現在は、森林開発公団から平成11年度に緑資源公団という名前に変わり、そして平成15年には緑資源機構に衣替えしました。いづれにしても天下り行政法人ですが・・・。
スーパー林道は、昭和40年から全国で推薦された46路線中23路線に絞って始まった事業らしいです。基本幅員4.6mです。因みにこのように幅員が小数点のあるものは古い林道の証拠です。 そして、今現在は地方に移管されました。その後のスーパー林道は、ふるさと林道や広域基幹林道、地方道などになったようです。その事から御荷鉾スーパー林道も幅員が新しい舗装区間の方が広いのもうなづけます。では、46路線中23路線以外の漏れてしまった林道はどうなったのでしょうか?それは、やはり緑資源の開発する大規模林道というものになったらしいです。林道規定1級で観光目的の要素を多分に含んでいます。こちらは全国で32路線2260kmと、半分以上完成しているようです。大規模林道と言うと「スゲー!ロングダートを開設中なのかー。」と喜んでしまいます。しかし、開けてビックリ全線舗装のただの道路ってのがオチとなっております。勿論、舗装されてしまう前に走れれば林道おたくには楽しいものでしょうが、いたって超フラットダートのようです。無理もありません、すぐに舗装する前提で作っていますもので。ところがここへ来て大規模林道中止の動きがあちこちで始まっています。現に中止になってしまったものもあるようです。環境問題や税金の無駄遣いだとの多くの意見から中止、又は計画変更になる林道は少なくないようです。広域基幹林道大滝線(会津高田町など博士山周辺) のイヌワシ・クマタカ生息地問題で裁判になったり、マイナーなものでは長野県南佐久郡佐久町の林道野尻日向線に珍しいヒカゲツツジの群生があることでルート修正やツツジの移植などの問題も発生しました。又は、地形的な問題で開設工事中止や休止になるものなどもあります。トンネルや橋を作らなければ解決できない地形や地質にぶち当たった時です。予算の都合でそうせざるを得ない場合もあるようです。私が気になっている林道で山梨県の焼山沢真木林道などに思いあたるふしがあります。湯ノ沢峠付近で大峠側から延びてきている林道ですが、完抜(かんばつ)まで残り200m程度で工事は止まってます。黒岳側にハラキリで林道を付けているのですが、ストップしているその先で黒岳の大きなガレ場にぶち当たったいます。恐らくトンネルでも掘るかルート修正でもしなければ完抜は難しそうな気がします。実際には、亜高山植物のお花畑なども付近に広がっていて、環境的にも難しそうですが・・・。逆に作られてから不法投棄、事故や四駆車などの自然破壊等の問題が起き、通行できなくなってしまう林道もあります。神奈川県や静岡県に多いようです。その他ですと、自衛隊が作った道で通行禁止になった変わった林道?もあります。自衛隊は災害復旧演習という名目で林道?も作ってきました。山梨県の右左口峠越えや栃木県の塩那道路(通称・塩那スカイライン)などが有名ですね。塩那道路は現在は通行禁止です。理由としては、通行中の事故の多さと受益者がいないことなど、移管された市町村側も管理維持できなくなったためのようです。それと、通行できない林道には作業道や林業の方が自力で作った林道などがあります。営林や治山の為だけに作られたものであって、併用林道ではない林道です。ピストン林道(突っ込み林道、行き止まり林道)などに多く、そこだけ忘れ去られたようにダートが残っている確立が多く、私有地の道も多いので注意が必要です。次に舗装化について考えたいと思います。私達の走れる併用林道は、ダートのうちは未完成であるようです。全線舗装になって初めて完成といえるのです。因みに手元の資料によりますと、民有林道の舗装率は平成2年度末で21%だそうです。林道に行くと末端集落(林道の一番奥地の集落)までは舗装され、その奥はダートであるというものが多いはずです。そして、下から順々に舗装されていきます。場合によっては、崩落の危険性のある場所や急傾斜の坂道部分から舗装が進むこともあります。いづれにせよ舗装化はあたり前と考えて下さい。それと、中には昇格していく林道もあります。各地方自治体で交通量をチェックして、その通過台数の一定基準を上回ったものを昇格するなどの地方ごとに基準もあるようです。林道が昇格して村道や県道になれば、その分多くの予算が組まれるようになります。勿論、舗装化もそうですが、自然災害などによる復旧工事も速やかになるというものです。地元住民の生活道となっているため、昇格するということはありがたい事なのです。私が最近走った林道で、茨城県の県道八溝山線というものがあります。(旧)久慈川林道です。渓谷沿いを走るフラットダートで八溝山へと上がる事ができます。ちょうど、林道ではピンクのリボンがダートに点々と埋め込まれ、計測員が巻尺で計っている最中でした。両端から次々と舗装化され、林道の真中部分をこれから舗装化に向けて下準備中でした。因みに皆さんもご存知の埼玉県の中津川林道は、村道に昇格した旧林道です。昇格した林道で面白いのものは、世界遺産で有名な白神山地を突っ切る弘西林道(通称・白神ライン)というものがあります。現在は県道に昇格していますが、ダートは現在でも40km位残っているようです。もし、お時間がございましたら訪れてみてはいかがでしょう。このように林道は変貌していくこともあるのです。次に珍しいお話を致します。最近のことですが、私の林道仲間でもあり師匠の笑遊さん(WILD WIND・相互リンクしております)が、とても貴重な写真を見せてくれました。どのような物かと言いますと、都心からも比較的近い埼玉県の広河原逆川林道の峠から分岐する、林道日向沢線の林道標識です。何と林道日向沢線と書かれた字の下に小さくHINATAZAWAと書かれているものでした。林道標識にローマ字も書かれているものは見たことがありません。この林道日向沢線は、奥多摩の川乗林道(現在通行止め)からも踊平系由で開設工事中の林道です。なぜにローマ字も書かれているのかは不明です。このようにいろいろな物に目を向け、調べていくとよりいっそう林道走行も楽しくて奥が深いものになっていくのではないでしょうか。ただ、分からない事も増えていくような気も致しますが。最後に林道の楽しみ方と走り方を自分なりに考えてみました。まず楽しみ方ですが、人それぞれ違うと思います。林道ガイドブックなどを参考にして、そそられる林道を風景などを満喫して走る。恐らくこれが一般的でしょう。次に、ガイドブックだけに頼らずに地図を見て探索しながら走る。この方法は、当たりはずれが多いが新たな発見も多く課題が増えてとても楽しい。私の場合、これが多い。探索型ってやつでしょうか。次に、データーのほとんど無い林道を自分なりに推理して起点やルートを探す。実は私の場合、これが一番楽しかったりします。ときには歩く場合もあり、推理したルート設定どおりに林道が実在していたり、又は推理がはずれであることが分かったときでさえ、とても充実感を感じます。いろいろと楽しみ方を変えてみるのも面白いのではないでしょうか。最後に走り方です。「3ナイ走行」で走りましょう。「あわてナイ」、「焦らせナイ」、「無理しナイ」。「あわてナイ」とは、どういうことかと言いますと、林道で時々猛スピードでブラインドコーナーを走ってくる車やバイク集団に遭遇したりします。山奥だけに事故でも起きたら市街地のようにはすぐに負傷者を病院まで搬送できません。ましてや単独で谷にでも落ちれば気付かれないまま終わりです。センターラインが無くてもキープレフトを守りましょう。互いに守れば接触事故も減るはずです。何かのトラブルに落ちいったときも同じです。「焦らせナイ」というのは、先行車に追いついてしまった場合などです。それとなく先行車が気が付いてくれるまでガマンしましょう。パッシングやクラクションはトラブルの元です。先行車が焦って事故を起さないとも限りません。逆に後続車に追いつかれてしまった場合は、車を退避できる場所を探して素直に道を譲りましょう。抜かれまいとがんばったところで疲れるだけです。それぞれのスピードを維持して走った方がお互いの為です。林道内で作業中の方などに対しても同じように焦らせてはいけません。重機などで作業されている場合は、ある程度距離をおいて車を止め、車から降りて通過できるかどうか確認しに行くべきです。通行止めでないならば少し待てば重機を移動してくれます。走ることができるのもこのように作業してらっしゃる方がいるからこそです。通過するときは、徐行と挨拶が原則です。逆の立場になって考えてみれば分かることです。「無理しナイ」というのは、無理な計画のことです。ゆとりのないギチギチの計画を立てて、現地で予期せぬ通行止めなどで迂回せざるを得ないなどよくありえます。その事が原因で時間的ロスをスピードを出して取り戻そうとしがちです。楽しむどころかノルマ達成のための走行になってしまって危険かつ疲れるだけです。それと、幅員の狭い道やピストン林道の先細り、雨で削られた流水クレパスなどを走行するときです。無理して行ってみたがUターンできずに非常に苦労したり、危機的なスタックや車の破損など、無意味な時間や修理代をかけてしまっては何にもなりません。ただ単に荒れた道だけを追い求めるならば、お金を払って四駆コースで走るべきです。林道での事故は、最悪の場合、林道そのものが通行禁止という事態にもなりかねません。これらの事は私にも反省させられるものが多々あります。ダラダラといろいろな事を書きましたが、林道は走るだけでなく、自分なりに考え、学んでいくのもまた楽しいものです。林道の本質を知るということは、必然的にモラルの向上にも結びつきます。ある意味、無知であってはいけないのです。今回、このような事を書くきっかけとなった理由は、度々目にする「ふるさと林道」の意味を調べていくうちにあるHPと出会ったからです。
2002年度、私に一番影響を与えたHPは、「林道評論センター」というとても素晴らしいHPでした。
PS:このようなHPに出会えた事に大変感謝しております。