私にとって林道の魅力とは何かと聞かれれば、「風景」、「走り」、「車中泊」などがある。何度も訪れたことのある林道でも四季折々、その時その時、そして一瞬一瞬の景色を楽しむことができる。春はせせらぎのBGMを聞きながら新緑の林道でコーヒーブレイク。夏は山岳の高所の林道で蒸し暑い下界と一時的にお別れして青い空と涼に浸る。秋は落ち葉の音と虫の声。夜ともなれば煌々と輝く月や満天の星ぼし達が私達は宇宙の一部であることを実感させてくれる。冬は無の境地。自車の雪の上を走る音だけ耳に届く。晴れた日にはコントラストのある世界だし、そうでない日は白一色の単色の世界になる。そして、想像以上に美しい風景に出会ったとき、本当に来て良かったなと思う。
走りを楽しむということは路面などの変化を楽しむことである。未舗装の林道のほうがあたり前だが変化が多い。同じ林道でも訪れる度に路面状態が違い、多少荒れているくらいのほうがライン取りに選択肢があったりして楽しいものだ。ハンドルに伝わる振動がある意味心地よかったりするから不思議だ。そして長い未舗装を走り終え、舗装路に出た瞬間に安堵感を覚える。このギャップが良いのかもしれない。
車中泊。それは私にとって林道での一番の魅力かもしれない。朝が苦手な私は早朝出発するより金曜夜に出発するほうが楽ということもあるが、基本的に車の中で寝るのが好きなのである。金曜夜に仕事を終え、自宅を出発する。近郊の山の上に向かって高度をゆっくりゆっくりと上げていく。車のFMラジオは深夜0時のジェットストリーム。「遠い地平線が消えて、ふかぶかとした夜の闇に心を休める時、はるか雲海の上を音もなく流れ去る気流は、たゆみない宇宙の営みを告げています。満点の星をいただく、はてしない光の海をゆたかに流れゆく風に心を開けば、きらめく星座の物語も聞こえてくる、夜の静寂(しじま)のなんと饒舌なことでしょうか。光と影の境に消えていった遙かな地平線もまぶたに浮かんでまいります。日本航空があなたにお送りする音楽の定期便ジェットストリーム。皆様の夜間飛行のお供をするパイロットは私、城達也です。」という、ミスターロンリーのBGMと共にオープニングのナレーションが何とも言いようがないくらいに山の上ではマッチするんです。そして、林道終点広場で満天の星空の下、イージーリスニング。エンディングは「夜間飛行のジェット機の翼に点滅するランプは、遠ざかるにつれ次第に星のまたたきと区別がつかなくなります。お送りしております、この音楽も美しく、あなたの夢に、溶け込んでいきますように・・・・・」と、私を夢の世界へと導いてくれる。城達也さんがお亡くなりになり10年以上経った。その間、パーソナリティーが幾つか変わり、番組のイメージが変わってから聞かなくなってました。が、現在は俳優の伊武雅刀さんに変わり、以前のイメージに再び近づいた。車中泊は私にとってこれからも至福の時であることは間違いない。
普段、4WDを乗っていても林道に一度も行ったことないあなた!一度、都会の喧騒から離れ、林道の世界にどっぷりと浸かるのもまた宜しいのではないでしょうか?
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